FIA世界耐久選手権(WEC)ではTOYOYA GAZOO Racingに所属する小林可夢偉は輝かしい経歴を持つドライバーの一人です。
F1時代には2012年日本GPで日本人3人目となる3位表彰台に獲得。
耐久に転向後は、2017年にル・マン24時間のコースレコード(3分14秒791)を樹立し、2019年および2020年のデイトナ24時間、2021年のル・マン24時間で総合優勝を果たしました。
2016年からル・マン24時間に参戦
2015年から国内レースでのトヨタ復帰とともにFIA世界選手権のトヨタワークスチームのリザーブドライバーに就任します。
そして、翌年の2016年にスーパーフォーミュラとともにレギュラー参戦が発表され、ル・マン24時間に参戦しました。
この年の決勝では小林は終盤を3位で走行していましたが、スピンで勝負権を失ってしまいます。このスピンがなければトヨタが総合優勝を掴んでいた可能性がありました。
シーズンを通して善戦し、総合2位の成績を収めています。
2017年は7号車に搭乗し、ル・マン24時間の予選でコースレコードを樹立。しかし決勝ではクラッチを壊す「偽マーシャル事件」の被害者となり、リタイア。
2018年も7号車で参戦。1度は2分差だった8号車に逆転を許したものの、完走し日本車・日本人初の1-2フィニッシュに貢献します。
2019年はトップを快走するも残り1時間で、マシンのトラブルに見舞われ大逆転で8号車に優勝を譲ってしまいました。
2020年もポールポジションを獲得するものの、折り返し地点でターボ系のトラブルが発生。長時間のピットインによりまた8号車に優勝を譲ることに。
しかし、このシーズンでは初のチャンピオンを獲得します。
2021年は引き続き7号車に搭乗しポールポジションも獲得。決勝では7号車、8号車共に燃料計のトラブルが発生するものの、チーム一丸となり解決策を見つけ、7号車はペースを維持した結果、悲願のル・マン制覇となります。
そのままシーズンも連覇し、同年末、ドライバーながらチームの代表となりました。
2023年のル・マン24時間
今年も7号車と8号車の2台体制で参戦し、6連覇を目指していました。しかし、大会直前に予定外の性能調整を課せられ、苦境に立たされてしまいます。
そのため、予選ではフェラーリにフロントロウを奪われた形でレースに挑みます。
本戦では小林の搭乗していた7号車が不運な追突により早々にリタイア。8号車は最後までフェラーリ51号車を追い詰めるものの、スピンもあり2位に終わりました。
ドライバー兼チーム代表の小林としては悔しい結果に。