プジョーのル・マン24参戦の歴史

正面の赤い車

プジョーについて

フランスの自動車メーカーとして名高いプジョーも、フランスで行われるル・マン24へ参戦しています。1882年からの歴史を持つ老舗自動車メーカーですが、ル・マンへの本格参戦は遅く、1990年台に入ってからになります。それまでにもスポットでの参戦はあったものの、小排気量の車ばかりで総合優勝を狙うというものではありませんでした。

しかし、参戦を初めてからの1991年・1992年では連続の優勝を果たします。参戦は継続的にという訳ではありませんが、参戦するときは優勝に対して貪欲なアプローチをしてもぎとろうという姿勢があるメーカーです。2007年からも参戦を行い、このときはプジョーが得意とするディーゼルエンジン搭載モデルが強いとされる状況でした。前評判も高く、優勝の期待も高かった908でしたが、アウディの前に2007年・2008年と苦杯をなめる結果に。それでも挑戦を続け、2009年には優勝を勝ち取っています。ただ、その後は2011年を持って撤退。次はどんな新たなマシンで参戦がするか、それがいつになるかが楽しみにされていました。

プジョーが開発を続ける9X8とは

2019年11月、プジョーは2022年からル・マン24への復帰を発表しました。開発するのは、ハイパーカー。それが9X8です。名前のはじめに入る9は、プジョー・905やプジョー・908などの過去車種を引き継ぐ9、ハイブリッドパワートレインを示すX、最後にプジョーの現行シリーズを示す8を組み合わせたものとなります。

リヤウイングがないという、近年のスポーツカーではないデザインで注目度が高い車種です。仕様はプジョー製の2.6L V型6気筒ツインターボエンジン、前輪に電動MGUを採用したハイブリッド構成で、プジョーはル・マン24に久しぶりに姿を表す予定でした。ただ、マシンの開発は難航しているようで、結局ル・マン24への参戦は見送りとなり、WEC第4戦のモンツァからが本格参戦となります。

ホモロゲーションと検査は最終段階とのことで、そのためにも細かい調整はされていますが、確認できる画像からだと近未来的なデザインは失われていません。リヤウイングはなく、シャープな車体はライオンの鉤爪のようです。

フランスを代表するメーカーの最新マシンは、パンデミック後のレースをどう盛り上げてくれるかが気になりますね。