トヨタとル・マン
日本を代表するトヨタがル・マン24時間耐久レースに初参戦したのは1985年。トヨタトムス85Cによるものでした。2台での参加であり、そのうち1台が見事に24時間を走りきっての12位完走。これがトヨタとル・マン24の始まりとなります。
1985年から1988年は小排気量での参戦でしたが、手応えを掴んだトヨタは、1989年からはル・マン24優勝に向けてマシンの開発をスタートさせます。グループCカーの開発は進み、1990年にトヨタ90C-Vはトヨタ初となるシングル6位での完走を果たすのです。1991年は参戦を見送り、1992年にはトヨタTS010が開幕戦のモンツァで優勝。ル・マン24総合優勝へ期待が膨らみながらも、トラブルが続き、その夢は果たせず。トヨタはレギュレーションの変化にも対応しながらも、もう一歩あと一歩という結果が続きます。
そして2018年、トヨタはとうとう悲願のル・マン24優勝を達成します。挑戦20回目に手にしたル・マン24 のタイトルは、愚直に開発を続けるトヨタのクルマづくりがもたらしたものです。また、日本人ドライバーの躍進も目覚ましく、トヨタとともに掴んだ栄光ともいえます。そこからトヨタはル・マン24を勝ち続け、2021年までに4連覇を達成。GR010 HYBRIDのハイパーカークラス初代王者という成果も含め、ル・マン24で強さを示し続けています。
ル・マン24で活躍した車種と日本人ドライバー
2016年~2020年はTS050 HYBRID。主な日本人ドライバーとしては、中嶋一貴や小林可夢偉。2012年~2015年はTS030 HYBRID・TS040 HYBRIDが活躍、主な日本人ドライバーは中嶋一貴です。1995年~1999年はTS020・スープラGT LM・スープラ LMが活躍した車種です。この時期に活躍した日本人ドライバーは片山右京、鈴木利男、土屋圭市。日本人トリオとして優勝間近の2位まで迫りました。1992年~1994年はTS010・92-CV・93-CV・94-Vがル・マン24を駆け抜けました。関谷正徳が2位まで夢を近づけました。
こうした歴史が積み重なり、今の大躍進につながっています。近年のル・マン24とトヨタは切っても切り離せないと言えるでしょう。どこまで活躍が続くのか楽しみです。