日本初上陸を記念して一般公開へ
ジャガー・ランドローバー・ジャパンは、ジャガー・クラシックを忠実に再現した「Cタイプ」「Dタイプ」を2023年6月5日から14日まで富士モータースポーツミュージアムで初公開しました。
当時の機械製図と最新CAD技術を駆使して設計し、手作業で製造しています。1台当たり3,000時間以上をかけ、中でも直列6気筒XKエンジンはチューニングとバランスで9カ月を要したそうです。
車体価格はCタイプが150万ポンド(約2億5,500万円)、Dタイプが175万ポンド(約2億9,700万円)となっています。
復刻版では両方ともオリジナルを忠実に再現しながら耐久性の向上やFIA公認の4点式のシートベルト、自動消火システムなど最新の燃料バッグも備わります。
そんなジャガーの両モデルについて紹介します。
Cタイプ
ジャガーカーズは1951年、ジャガー「XK120」をベースにしたレーシングカーCタイプを開発します。
スペースフレームで組まれたシャーシにボディがかぶった構造で、サスペンションリングはトーションバーという古い構造です。
3.4リットル直列6気筒エンジンをチューブフレーム+オールアルミボディに搭載。1951年と1953年のル・マン24時間耐久レースで優勝し、その名を届かせました。
Cタイプは1951年から1953年にかけて、53台が生産されており、そのうち43台が個人向けに販売されています。
Cタイプの革新的なポイントはディスクブレーキを採用したところです。ダンロップとの共同開発されたディスクブレーキを搭載したCタイプは、フランスのランスグランプリでもディスクブレーキ搭載車として初優勝を飾ります。
ドライバーズシートの足元は狭く、クラッチ、ブレーキ、アクセルと左上から段々下がってくるレイアウトとなっていて、ヒール&トゥはできないほどの狭さです。
Dタイプ
Dタイプもル・マン24の優勝を目指して開発されたモデルで1955年、1956年、1957年で3年連続となる総合優勝を果たしました。
Cタイプより時代が新しい分、スタイルもよりレーシングカーぽくなり、ハンドリングも洗練されています。
シャーシがモノコックボディ+サブフレームとなり、コーナリングの安定性が格段に上がったことに起因します。
エンジンはビッグバルブ仕様のシリンダーヘッドとなり、高回転域でシャープなひと伸びを示すのも特徴です。