GR010 HYBRID
TOYOTA GAZOO Racingが2021年シーズンに向けて開発、WEC(世界耐久選手権)のLMH規定で最高峰のハイパーカークラスに参戦させた車両です。
トヨタTS050 HYBRIDの後継モデルに当たります。
ドイツのケルンに本拠地を置くエンジニアと日本の東富士研究所ハイブリッドパワートレインチームが一体開発しました。
パワートレインは680psを発揮するV6、3.5Lツインターボを採用して後輪を駆動させ、アイシンAWとデンソーが共同開発したモータージェネレーションユニット(MGU)は272psを発生させます。
2021年はハイパーカークラスで7号車と8号車の2台で出走。シリーズ全6戦の内、第1戦、第2戦、第6戦で8号車、第3戦、第4戦、第5戦で7号車が優勝し、シリーズ全勝を遂げるととともにル・マン24時間レースで4連覇を獲得しました。
2シーズン目の2022年はさらに進化するため、WECが新たに導入した100%再生可能燃料にするための改良エンジンを加えています。
昨シーズン全戦で優勝したため、厳しいバランスオブパフォーマンス(BoP)が課せられ、1スティント当たりに放出できるエネルギー量も抑制されました。
また、フロントのハイブリッドモーターを使用できる速度域もドライ路面・ウェット路面ともに時速190キロ以上と定められたため、時速190キロ未満の速度域ではエンジンのみの後輪駆動で走らなければいけなくなりました。
それでも開発陣は最大限の走行性能を発揮できるように、追求しています。
その結果、2022年シーズンのル・マン24時間レースで優勝し5連覇を達成しました。
大会直前に性能調整「バランスオブパフォーマンス(BoP)」が課せられる
2023年6連覇を目指すトヨタでしたが、2位に破れてしまいました。追突によるアクシデントや十数秒差を競っていた中、スピンしてしまうなどのミスがありましたが、SNSなどでは主催者側や国際自動車連盟への非難が相次ぎます。
それは、大会直前に大会直前に性能調整「バランスオブパフォーマンス(BoP)」が課せられたことによるものです。
トヨタは最も重い37kgのウェートが課せられます。優勝したフェラーリ陣営も24kgを背負わされましたが、今年が開催100周年の記念大会だったこともあり、政治的な背景を指摘する声が大きく聞こえてきました。
トヨタの豊田章男会長も不満を述べています。