市販車による耐久レースから始まったルマン24

サーキット

ルマン24の始まり

1923年5月26日に初めてレースが開催され、100年近い歴史を持つルマン24。
1回目のルマン24は33台の車両がサーキットを走りました。
フランス西武自動車(ACO)が24時間耐久レースを呼びかけたのが始まりです。当初はレーシングカーではなく、市販車による耐久レースでした。
コースの3/2は普段、公道としても利用されるルマン市内のサーキットに決定します。
市販車の性能が反映されるということで多くの自動車メーカーの関心を集めることになりました。

第1回ルマン24は、フランス15社、ベルギー、イギリスから各1社の計17メーカーが参加し、35台のマシンがエントリーします。
雨に祟られたレースを制したのは、シュナール&ワルケールのA.ラガシュ・R.レオナール組で、走行距離は2209.536kmという記録でした。

ルマン式スタートは第3回大会から

ルマンの名物となっているルマン式スタートが始まったのは1925年の第3回大会からです。
コースサイドに競技車を配置し、コースを挟んで反対側に待機するドライバーが合図とともに乗りこみスタートするこの方法は、ルマン式スタートとも呼ばれ他のレースでも採用されました。
しかし、シートベルトをせずに走り出すドライバーが続出。死者のでた1969年のレースを最後に廃止となります。
1971年はグリッド式スタンディングスタート、1972年以降は耐久レースでは一般的なローリングスタートが採用されました。
その後、バイクレースでのみ採用されるようになり、鈴鹿8耐はルマン式スタートを採用しています。

国際的なレースに発展

1925年の第3回大会からイギリス、イタリア、アメリカメーカーからの参加が増え、国際レースへと発展しました。
しかし、1936年にフランス自動車業界のストライキで中止となり、1940~1948年まで第2次世界大戦により中断されたことで、2021年で98周年となりますが、第89回大会となるのはこのためです。